西部節全開

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marugeki_307_nishibe.jpgマル激トーク・オン・ディマンド
第307回(2007年02月16日)
西部邁流、保守主義のすすめ
ゲスト:西部邁氏(評論家・秀名大学学頭)

プレビュー

 保守論壇を代表する評論家、西部邁氏をゲストに向かえ、小泉構造改革の評価から核保有論にいたるまで、西部流「保守主義者の本懐」を聞いた。

 西部氏は、戦後日本のアメリカ的な制度の導入を厳しく批判する。日本のアメリカ化は小泉政権の構造改革によって完成し、現在では自称保守主義者たちが、そのアメリカ的制度を擁護する立場を取る異常な事態が発生しているという。本来保守が最も警戒する急進主義的構造改革を保守主義者が擁護するという今日の日本の捻じれた現状を、西部氏は表がいつのまにか裏になっている「メビウスの輪」に例える。

 では西部氏の考える保守のあるべき姿とはどのようなものなのか。そもそもヨーロッパにおける保守主義とは、フランス革命が掲げた自由、平等、博愛の精神に対し、人間の浅知恵で先人たちが永々と築いてきた歴史や共同体を軽視するべきではないとするエドマンド・バークに代表されるイギリス型保守思想に端を発している。さらにヨーロッパには、古代ギリシア時代から、一筋縄ではいかない世の中の矛盾に苦悩しながら、理想と現実のバランスをとるための英知を蓄積してきた保守主義の歴史的系譜が存在するという。

 これに対し、アメリカではそもそも国の成り立ちが、ヨーロッパでは急進主義と位置づけられるような個人の自由や科学の合理性を重視することからスタートしているため、そのアメリカ的価値を守ろうとするアメリカの保守主義は、ヨーロッパのそれとは正反対の立場となる。また日本における保守は、能や歌舞伎、あるいは日の丸・君が代といったサブスタンス(実態)やそれに対する情念、情緒を重視する傾向にあり、それは保守というよりもむしろ右翼思想と呼ばれるべきものであると西部氏は説く。

 では、日本における保守の本懐とは何なのか。西部氏は、真の保守主義者は金や商品といった「富」ではなく、人々の絆や帰属する場所、環境といった「財」を、不信による依存ではなく、信頼による自立自尊を重視するという立場を取ると説く。また、保守だからといって必ずしも現状維持を主張するものではないとも言う。ただし、変革を受け入れるにしても、過去から時間を経て蓄積されてきた「良きもの」を捨てる急進的な革命ではなく、良きものを残しながらの漸進的な変化を求める立場を取る。そうした前提の上に立つと、まず日本は「美しい国」などと言い出す前に、今日の日本がいかに「醜い国」になっているかを認識するところから始めなければならないと西部氏は言う。

 冷戦の終結により、55年体制下で権勢を誇った革新左翼が弱体化した日本では、1億総保守化が指摘されるようになって久しい。しかし、現実には保守に対する誤謬が横行する今日、西部氏の保守論に新鮮さを覚える向きも多いのではないだろうか。日本の針路を考える上で貴重な視座を提供する保守主義の真髄とは何かを、西部氏に聞いた。

<ゲスト プロフィール>
西部 邁(にしべ すすむ)
評論家・秀名大学学頭
1939年北海道生まれ。東京大学大学院経済学研究科修士課程修了。71年横浜国立大学助教授、東京大学助教授、同大学教授を経て評論家となる。99年より現職。『北の発言』誌編集長、『発言者』誌顧問を併任。著書に『経済倫理学序説』、『生まじめな戯れ』、『無念の戦後史』

February 18, 2007



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こういった勘違いに対する強い違和感 from Candysays’s Diary
   さまざまな批判をするときに、自分がまるで国家の側にいるような勘違いをして喋る人が、いつのまにか増えているように感じる。どのようなわけで、こういった...

March 5, 2007

コメント

投稿者 Wellness Walker 

最近の西部さんの考えていることがわかりとにかくためになりました。
なので、いささか興奮いたしております。
あとでもう一回2回、いや何度も聞いて整理してみたいです。
ご本も刊行されたならばすぐにむさぼり読みたい。
大げさに言うと、これをきっかけに議論を進めれば、なにか日本が、蟻地獄のような閉塞状態から抜け出せるような感じさえいたします。

つぶやき:酒も煙草もおしゃべりには益あるものなんですね。俺、禁煙だけは自分の健康のために続けます。しかしインテリ人種は吸ってもいいんじゃないでしょうかね。世のため人のため。

February 19, 2007

投稿者 oja 

上のかた、あほでないの・・・
インテリって言葉がマル激にはよく出るようですが、ちょっとどうかなあ。
自慰行為に似ている。

西部さんも宮台さんも一見立派ですが、今回の放送をよく聞くと繰り広げるのは感情論のみです。
日本人や小泉さんやホリエモンをバカにするのは気持ちとしてはわかるし、悪口は愉快ですが、内容は乏しい内輪の飲み会に拝聴しました。
(神保さんが所在なさげなのも、飲み会っぽさが出てました)

とはいえ、西部氏の魅力はよく伝わりました。
はったりをかますのが上手なおじいさんです。
過激そうに見えつつ、実に堅実ですね。ご自身の立場に対しても。

February 19, 2007

投稿者 vox_populi 

>西部氏の魅力はよく伝わりました。
>はったりをかますのが上手なおじいさんです。


 皮肉だと解して、賛成したいようにも思いますが、しかしそれにしても、はったりをかましているかなあ。(今回の番組に限らず)西部氏からは、議論の相手にいつも擦り寄る姿勢ばかり目立つように私には見えるのですが。


 ともあれ、小泉批判のような良いことをたとえ言っていても、西部氏があの言い方で言うとすべて不真面目・おざなりに聞こえてしまいます。今回の番組ではその点だけが惜しまれます。

February 21, 2007

投稿者 sollbeans 

女が「産む機械」なら、男はそれすら出来ない「役立たず」か「無能」と言われてもしかたないのですかねぇ。トホホ。。。
番組で人口政策論に触れたところでちょっと思ったのですが、出生率の他にも女性の比率を高めることも考えるべきことなのかなぁとも思っちゃいました。

February 21, 2007

投稿者 K Y 

芸が粗い。それが許される世代だよね。そして再帰性に覆われた神経症的なこの現在にあっては、あの素朴さが心に響く。

最近思うんだけど、平成っ子(生粋ポストモダン世代)って「一周回って元に戻った」と言うのかな、ああいうシンプルさを求めてる気がして、上の世代からすると確かにただの馬鹿に見えるけども、何か新しいエネルギーを感じるな。

February 21, 2007

投稿者 4 

>sollbeansさん
男女比率を人為的にどうにかしようというのですか?
何気に恐ろしいことおっしゃいますね。

February 21, 2007

投稿者 K Y 

あ、変なとこで文章が終わってしまった。つまり日々のニュース等の大概は細かい専門的知識やテクニカルな話の情報戦に入ってしまい、本質論は何かってことが見えづらくなってるし、改めて本質を問う場もないと思う。だから政治談議であーだこーだ言ってる輪に、若い子は入っていけないんだよね。まあ政治オタクが「情報の過剰利用」で遊んでるだけだから価値はないんだけど、今回のような哲学談義企画は珍しく有意義だったと思う。

February 22, 2007

投稿者 oja 

>vox_populi さん

そりゃ皮肉。西部さんの人を惹きつけるはったりが魅力的と思うのは、本当。

>sollbeans さん

政府もそれ水面下で考えてると思いますよ。
今日のニュースで出生率が1.3に上ったというのも、「外国人なども含め・・・」と付いている。「なども」ってなんだろ?
外国人に関しては、フィリピンから介護士さんとかもっと入れたら、出生率は確実に上るでしょうね。

>KYさん

追加する前のコメントは良かったですね。
いまの若者は、自分に正直で、(年上から見ると気張らない自然体でかわいい)素材のいい子が大勢いるのに、使う側が狭量なので機能不全になっていると思われます。

西部さんは、一緒にしたらおかしいですが吉本隆明さんに共通して、論理を組み立てるというよりは情緒的な、本人の魅力で聴衆を引っ張るという、昔の文化人の1タイプのような気がします。

February 22, 2007

投稿者 egotimebyass 

西部氏の言葉の体臭というようなもの、それが滓のように残り、その濁りがなにであるのか引っかかる。

February 23, 2007

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