死に体ブッシュとほとんど死に体安倍の接点
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マル激トーク・オン・ディマンド
第304回(2007年01月26日)
死に体ブッシュとほとんど死に体安倍の接点
ゲスト霍見芳浩氏(ニューヨーク市立大学教授)、海渡雄一氏(弁護士)
先週の一般教書演説でブッシュ大統領はイラク駐留米軍の増派への理解を求めたが、議場では民主党のみならず共和党の議員からもほとんど拍手はなかった。9・11直後は90%を誇った支持率も3割を割るまでに落ち込み、もはやブッシュ政権は完全に死に体状態にある。
ニューヨーク市立大学の霍見教授は、ブッシュ政権がハリケーン・カトリーナに有効に対応できなかったことを契機として、政権を支えてきた富裕層、キリスト教原理主義者、石油利権屋の3つの柱が、ようやくブッシュ政権の実態に気づき始め、それが先の中間選挙の民主党圧勝につながったと言う。
もともとフロリダの「疑惑の再集計」で辛うじて大統領になったブッシュだったが、政権発足の年に起きた同時テロ以降はメディアも政権批判を控えたことから、ブッシュ政権の実態が浮き彫りにならないまま、アメリカはイラクの泥沼に足を踏み入れるところまで突っ走ってしまったのだという。しかし、カトリーナの惨状を目の当たりにしても、救援に送るべき州兵も堤防を築くべき陸軍工兵隊も、いずれもイラクに派遣されていて不在だったことで、ようやくアメリカ国民がイラク戦争の本当の意味に気づくようになったと言うのが実態だったと霍見氏は言う。
アメリカでは早くも2008年の大統領選挙で民主党の政権奪還の可能性が取り沙汰され始めている。先のファーストレディ、ヒラリー・クリントン上院議員の出馬表明で、いよいよアメリカ史上初の女性大統領の可能性すら囁かれ始めているという。
しかし、それにしてもなぜアメリカはここまでブッシュ政権の失政に気づかなかったのだろうか。なぜメディアはここまでブッシュ政治を支持したのか。そして、いかにアメリカはそこから抜け出すことができたのか。霍見氏に聞いた。
霍見氏はまた、対イラク政策で世界各国がその死に体ブッシュ政権を見放す中、依然として忠犬ポチよろしく忠誠を尽くしているのが安倍政権だと言う。
首相就任後まず、ワシントンではなく中国と韓国を訪問するなど、一見アメリカと距離を置いているかにも見える安倍政権だが、実際はブッシュ政権の手のひらの上で踊っているだけだと霍見氏は指摘する。
「中韓訪問はむしろ日中関係の悪化によって日本の対中カードとしての価値が無くなってしまう可能性を懸念していたブッシュの意を受けたもの」(霍見氏)だし、6ヵ国協議も、二国間交渉に否定的なブッシュ政権の意向に沿った「カブキ芝居」(霍見氏)につきあっているだけ。安倍政権のウリである対北朝鮮強硬路線も、その実はアメリカの意向に沿った行動を取っているに過ぎないというのだ。北朝鮮への軍事制裁も辞さない立場を取るブッシュ政権にしてみれば、北朝鮮暴発の危機を本気で回避する気など毛頭ない。アメリカの頭越しに平壌宣言を出すなど、独自外交の姿勢を見せた小泉政権を恫喝して、日朝国交正常化への道を阻んだのもブッシュだった。それが霍見氏の見立てだ。
後半はそうした状況の中で、弁護士の海渡雄一氏をゲストに迎え、ゲートキーパー法なる天下の悪法の成立を狙う安倍政権の真意を考えた。
ゲートキーパー法はマネーロンダリング(犯罪収益の移転)の疑いがある時に、それを警察に報告する義務を金融機関や税理士など50の職種に課すもので、安倍政権は今国会での成立を目指している。しかし、50の職種の中に弁護士が含まれているため、日弁連を中心に反対運動が広がっている。弁護士が依頼者の違法行為を警察に報告する義務を課されてしまっては、守秘義務も何もあったものではない。しかも弁護士は疑いがあるだけで報告が義務づけられ、報告を怠れば弁護士資格を失う可能性もある上、警察に報告した事実を依頼者に漏らしてもいけないという条件までつく。
この法案が報告を義務づけているのは、マネーロンダリングの疑いがある場合に限定されているかのような表記があるが、実際には対象は犯罪収益全般に及ぶ。つまり、違法な事業を行っているテナント(例えば著作権違反など)に部屋を貸しているアパートの大家や、極論すれば暴力団から出前の注文を受けた寿司屋まで、この法案では報告義務の対象となる。そして警察は報告があれば、その口座を凍結できるのだという。つまり大家や寿司屋の銀行口座をである。
弁護士の海渡氏は、「この法案が通れば、市民は弁護士に何でも相談ができなくなってしまう。また一方で、この法案が密告を義務づけているために、密告社会化を生めてしまう天下の悪法だ」と斬って捨てる。実際、この法律ができれば、市民社会はもはや弁護士を全面的に味方と考えることができなくなる一方で、法案の提出者である警察庁は、全ての業界を自らの監督下に置くことが可能となる。弁護士が警察の監督下に置かれることになる法律。それがゲートキーパー法の実態だと海渡氏は怒りを露わにする。
海外ではイギリスを除いて、同様の法案が一度は可決したものの、差し戻されたり、違憲訴訟に敗れて廃止になったりしているというが、遅ればせながら日本は今になってそんな法律を通そうとしているのだ。
「警察が本気で通したがっている法律に、面と向かって反論することで生じるリスクを負いたい政治家がいない」ことが、このような悪法が国会を通過してしまう最大の理由との海渡氏は言うが、実際にこの法律は政治家自身にも累を及ぼす危険性のある極めて危険な法律にも見える。
今国会では悪名高き共謀罪も依然としてまだ継続審議となっているが、これは日本がすでに警察の恐怖政治がまかり通る時代に突入しているということなのか。もしそうでないのなら、与党はなぜこのような法律を作ろうとするのか。もともとこの法案はOECDのマネーロンダリング防止のための勧告に基づいたものだが、このような監視社会化を推進する世界の趨勢は一体どこからくるものなのか。海渡氏とともに考えた。
January 27, 2007
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コメント
ジョージ オウエルの 1984再来ですね。
ビックブラザー が見てるってやつでしょうか。。。
それはさておき、私もブッシュの件に関してはカトリーナで気づいた口です。
なんか気に食わないやつって思ってましたが、911で同情心にかられてちょっと応援してあげようかなみたいな気になってました。
アメリカは正義のため(何故アフガンがいきなりイラクに摩り替わったのかは疑問に思いつつ。。)、日本は慈善事業のために兵を出してるってなにげに。。。でも、
カトリーナ以降、、、ボロが立て続けに見えてきたってところでしょうか。
もし、ブッシュじゃなくって、ゴアが大統領になってたら、 イラク戦争はなかったと思います。
温暖化問題がプロパガンダだとしても、戦争よりはよっぽどマシな浪費だと思います。
戦争にあけくれて、未来に希望が持てない、明日はどうなるかわからないからよけいに自爆テロがふえるのだと思うのです。
もし、彼ら平和を味わって、希望、計画を持つようになれば、死ぬ恐怖が出てくると思うのです。
希望の持てない人って死んだ魚のように光のない目をしています。
でも、一時希望を見たとき、光はだれの目にもうかびます。
あと、ちょっと日本人へのコメントで気になったのが。
小泉さんは確かに子供っぽいパフォーマンスでした。
海外にいると、日本人って結構子供~みたいな目で見られます。それは舌ったらずの話し方にも所以するのでしょうが。。
でもね、日本人のイノバティブかつクリエィティブな面って、そういう子供部分から来ると思うのです。
ヨーロッパ人は確かに大人~かもしれませんが、、、、、
化石化してるかもしれません。。。
January 30, 2007
案外、渦中にいるひとは気付かないものなんですね。
アメリカのGTさんも、日本の(いまになって支持率を下げる)自分を含め、選挙民も。
あのアメリカ人がこれまでブッシュを許し、問題視せず、閉塞感を甘んじていたという・・・いまになれば、驚きです。
アングロサクソンのアメリカとアジアの日本がひどく似た状況にあるのは興味深いことです。基本的に謙虚で、見て見ぬ振りをする日本人が閉塞感に声を上げないのは理解できますが、意見をはっきり言うはずのアメリカ人も、その時代に適した人間たちの勢いに、呑まれ込まれる。
理性があり胆力のある人たちが、弱虫で保身のみを異常に追求する連中にしてやられる現象は、世界中で時々吹き荒れます。ヒットラーもマッカーシズムも、通常ならありえないことが起きてしまう。
これまでのブッシュ、現在の安倍氏なるものに抑えられている日本も、もしインターネットという通信手段がなかったら、独裁的支配に甘んじていた可能性は大で、なんとも人間とは無力で情けなく。
被支配者としてはラッキー、支配者としてはアンラッキーなことに、ネットのおかげで「裸の王様」を糾弾できるのは、不幸中の幸い。
それにしても、霍見氏のべらんめい、こんちくしょうという江戸前の啖呵の切り口は、大好き。アメリカで生き抜く大学教授とは、こういう方なんだなとある意味救われる思いがします。
“Get Angry!”か・・・日本でもこういう声が各地で立ち上るときはくるんでしょうか。
PS
小泉氏・安倍氏の幼稚さは、ヨーロッパでどのように報道されているのか、笑えるのもありそうですが・・・いや、Out of 範疇か。
January 30, 2007
犯罪収益移転防止法に関する部分を、一時的に無料放送にしてはどうかと思いました。共謀罪の回とセットで公開すれば、要するに法案を出している方々が何をしようとしているのか、より分かり易くなるのでは、と思います。
February 1, 2007
法改正繋がりで、先週の【週間ミヤダイ】はおもしろかった。
http://www.tbsradio.jp/pod/
それにしてもあいかたの有村美香村アナのロールプレイは完璧ですね。でもベタだったらどうしよう…。
February 4, 2007
法改正繋がりで、先週の【週間ミヤダイ】(被害者が裁判で論告・求刑できる「被害者参加制度」導入へ)はおもしろかった。
http://www.tbsradio.jp/pod/
それにしてもあいかたの有村美香村アナのロールプレイは完璧ですね。でもベタだったらどうしよう…。
February 4, 2007
佐藤優さんが指摘しておられたというワーグナーの件ですが、
ワーグナーがいわくつき(ユダヤ人差別など)の音楽家で彼を批判する人が多いのは確かですが、ヨーロッパで「ワーグナーが好きだ」と言ったからといって、直ちに政治家としての幼稚さを露呈することにはならないのではないでしょうか(小泉さん個人がどこまで自覚的かどうかは別の問題です)。
現在のドイツのアンゲラ・メルケル首相はワーグナーのオペラを鑑賞するのがお好きな方であったと思います。ドイツの保守系有力政治家がバイロイト音楽祭に詣でるのは、ドイツでは恒例の行事になっています。ユダヤ人の音楽家ダニエル・バレンボイムのように、ワーグナーの数々の政治的問題点を十分に承知しつつも、それでも彼の音楽を評価しようとする人もおります。
February 4, 2007
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