天皇家に「もうやめた!」と言われる前に

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 タブーというほどではないかもしれませんが、天皇家の方々が文句も言わずに皇族をやり続けてくれることに依拠している現在の天皇制の「無理」に、あえて踏み込んでみました。天皇制や皇室問題は決してタブーだとは思いませんが、「天皇がやめたいと言い出した場合」とか「天皇制を廃止する具体的シナリオ」となると、ちょっとタブーっぽい世界に踏み込んでいるような気もしています。私が勝手にそう思っているだけかもしれませんが。
 今回のゲストは近著「明仁さん、美智子さん、皇族やめませんか」の著者で、共同通信の皇室担当記者を長年務められた板垣恭介さんです。
 板垣さんは、日本を統合しておくため(という名目)に利用されるだけの天皇制の矛盾を長年間近に見てきた経験から、その矛盾と脆弱性を指摘します。特に天皇家に嫁いできた女性たちが、お世継ぎを産むことを義務づけられているかのような風潮とそれを放置している日本の民度にも疑義を呈します。
 また、宮台さんがいつも指摘している、「現在のシステムは天皇が黙って政府の言うことを聞いてくれているからこそ、一見うまく回っているが、もし天皇が「やってらんないよ。おれはもうやめた」と言い出したらどうにもならない」問題についても、考えてみました。

itagaki2.jpg丸激第268回 [2006年5月19日]
天皇家に「もうやめた!」と言われる前に考えておくべきこと
ゲスト:板垣恭介氏(元共同通信宮内庁担当記者)

 今国会の最重要法案の一つになるとみられていた皇室典範改正は、秋篠宮妃の懐妊でしばしの小休止に入っている。しかし、40年にわたり皇室を取材し、皇室関係者とも親交の深い元共同通信の板垣氏は、皇室典範改正論争で一つ決定的に欠けていた視点があるという。それは、天皇家側が皇族を辞めたいと言い出したり、即位を辞退するシナリオがまったく想定されていない点だ。現在の憲法にも皇室典範にも、天皇制が何らかの理由で廃止されるシナリオは一切想定されていないのだ。

 その矛盾を近著「明仁さん、美智子さん、皇族やめませんか」に著した板垣氏は、人権もプライバシーも認められず、一重に天皇家の自己犠牲の上に成り立っている現在の天皇制を問題視する。確かに、天皇家に嫁いだ女性が、あたかもお世継ぎを産むことを課せられた母胎装置であるかような扱いを受ける昨今の有様は、人権上もあまりに問題がある。

 しかも、現在の制度のもとでは、天皇家自身に即位を辞退したり、公務の執行を拒絶する選択肢は与えられていない。本人が望む望まぬにかかわらず、憲法によって世襲を義務づけられている以上、それを考えなければならないのは、主権者としての日本人の責務のはずだと、板垣氏は主張する。そして、皇室典範改正はその問題を考える絶好の機会だったにもかかわらず、政治もメディアも、そしてわれわれ日本人全員がその議論を避けていると批判する。

 ジャーナリストとして長年にわたり天皇家を間近から見てきた板垣氏とともに、人権問題としての天皇制と、天皇を政治利用しようとすると勢力の存在、そして仮に天皇制が廃止されると日本にどのような影響が出るのか等を考えた。

※丸激トーク・オン・ディマンドでは出演者の意思を尊重し、人物の呼称については、出演者の発言をそのまま放送しています。

May 21, 2006



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June 2, 2006

コメント

投稿者 vox_populi 

 今回の番組ははっきり言ってまどろっこしかった。失礼ながら、面白い本を書く著者=面白い番組を作れるゲストとは限らないことの好例だと言わざるをえません。宮台氏が話の途中で割り込んでいたことがせめてもの救いでしたが。ゲストの選定はもう少し考えていただきたいと望みます。

 ところで、その宮台氏の「日本には民主主義は根づいていない」という主張に関連して、ぜひ一度坂野潤治氏をお呼びになってみてはいかがかと思います。坂野氏は、日本には戦前からそれなりに民主主義の伝統があったという主張を、数冊の近著で繰り返し主張しておられ、それは一聴に値するものだと思われますので。

 もう1つついでに。宮台氏は(今回はなかったですが)番組の中で、たぶんnoblesse obligeの言い換えのつもりででしょうが、noble obligationという奇妙な表現を時々使っておられます。noblesse obligeは「高貴さは余儀なくする」という意味の文章(obligeは動詞)で、その英訳はnoble obligationとはなりません。慣用的な言い方に従っておく方が賢明だと思います。

May 21, 2006

投稿者 vox populi 

ノブレス・オブリージュまたはノーブレス・オブリージュ (フランス語:noblesse oblige) は「貴族の義務」あるいは「高貴なる義務」のことである。英語では「ノーブル・オブリゲーション」(noble obligation)と言う。一般的に財産、権力、社会的地位の保持には責任が伴うことを指す。
from http://tinyurl.com/ymhtgv

March 7, 2010

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