竹中平蔵を刑事告発したミサワホームの三澤元社長

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丸激第265回 [2006年4月28日]
竹中式改革に異議あり
ゲスト:三澤千代治氏(ミサワホーム創業者)

プレビュー
  1967年にミサワホームを興し、一代で業界第3位の住宅メーカーに育て上げた三澤千代治氏が、ミサワホームを追われて1年が過ぎた。
 メディア報道では、三澤氏はバブル期のリゾート開発などの失敗で抱えた数千億円にのぼる債務の責任を取って退任し、会社は再生機構で債務を処理した上で、UFJ銀行(現三菱東京UFJ銀行)の仲介でトヨタが引き受け、トヨタ傘下で新たなスタートを切ったとされている。一見、小泉-竹中路線で突っ走ってきた不良債権処理スキームに基づく、企業再生のサクセスストーリーだ。
 しかし、ミサワの場合他と違うことが一つあった。それは、創業者三澤千代治氏のただならぬミサワへの愛着だった。
 自動車メーカーに人の住む家は作れないと確信する三澤氏は、三澤氏は、ミサワの再生機構入りからトヨタに引き継がれるまでの一連の過程の中で、数々の不正や問題があったことを告発。特にその過程で竹中平蔵財政金融担当大臣(当時)の不当な介入があったことは、大臣の職権濫用につながるとして、竹中大臣を刑事告訴に踏み切っている。
 ミサワホームを再生機構経由でトヨタ傘下に入れる処理方法が、当時の経済状況の中で正しかったかどうかについては、三澤氏側と債権者でもある取引銀行側の主張に大きな開きがあり、果たしてどちらが本当に正しかったのかはわからない。しかし、その過程で三澤氏が指摘するような数々デューデリジェンス上の問題があった可能性は大きい。
 また、確かに再建を担う経営者にとって三澤氏はうるさい存在なのかもしれないが、三澤氏が創業者としてミサワホームの理念や哲学の体現者であることも疑いのな事実である。その三澤氏を強引に排除して、住宅メーカーを欲していたトヨタに「不当に安い値段で」(三澤氏)譲渡する方法が、果たして企業再生のあり方として適切だったのかどうかも問われる。
 そこで今回は三澤千代治氏をゲストに招き、三澤氏とミサワホームに何が起きたのかを三澤氏の視点から再検証しながら、「不良債権処理」の国家的大義名分の元で竹中平蔵氏が主導してきた企業再生のあり方と、苦境に陥った企業の強引な破綻処理や再生処理を通じて、日本が失ったかもしれないものが何なのかを考えてみた。

May 3, 2006



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コメント

投稿者 Gershwin 

 ミサワホームの創業者の登場ということで結構期待していたのですが、三澤さんはもっともっと自信を持って自説を語ってもよかったのではないかなという気がしました。もっと元気よく頑張れと言いたいです。

 ミサワホームをトヨタへ払い下げた本当の目的について不良債権利権を含めた話がありましたが、マル激の論調からすると一連の動きは「日本企業の外資への売却の練習版」と理解すべきなのでしょうか。
 日本にバブルの混乱を生じさせた国際金融財閥の子分であるところの財務省・日銀・邦銀が不良債権処理に際して奮った(ている)フリーハンドの中身を司法に訴えるということはとても画期的。三澤さんを心から応援します。頑張ってください。

 後半の住宅論等については、納得し難い部分もありました。”家に入って靴を脱ぐ”、”木の家”の話は良いとしても、日本に軸組み工法が適しているかどうかについてはデータで示してもらわないといけませんね。作る側の説明なんだから・・・。断熱、構造強度、気密性、除湿に関する性能など数字を出してもらわないとちょっと・・・。

 例えば加治将一(元不動産業者で作家、フリーメーソン研究者)著「プロが教える買ってはいけない住宅」のp113には1976年の建設省(当時)の研究所のデータの紹介があり、ツーバイフォー工法と軸組み工法を比較しています。強度についてはツーバイフォー工法は水平加力で軸組み工法の2.3倍であり(地震に強い)、耐火性も全焼するまでの時間が3倍も長く(防火壁効果による)、耐熱性に関しては暖房用の灯油消費量は1/3であるそうです。「日本には日本のものが良い」という話には偏見が含まれている可能性があるのではないでしょうか。(因みに加治さんの説では、軸組み工法は朝鮮半島からのパクリだそうです。)

 三澤さんは「住宅建設の仕事は文化を含んでいる」旨を言われています。それはよいのですが、「日本人で自分の家作りについて自分の考えを持っている人は少ない」と言う一方で、「趣味で作った家は売れ残る」と言い、「財産価値が残る家は大体似たような形になる」と言われています。「中国と日本で住宅規格を統一すると安くできる」という三澤さんの趣意に対して、宮台さんの言う「家作りは街づくりに従うもので、デベロッパーはその点も含めた提案をすべし」という話は噛み合っているのでしょうか。
 それと日本の住宅耐用年数は25年程度で短いと指摘しつつ、そういった家を作り続けてきた業者としてのミサワホームの見解は出てなかったですね。

 街、家を作るにあたって社会学者の知恵が必要とされるようになってきたのはそうだろうと思いますが、問題が好転しない原因についての解析がありませんでした。私はやはり「金を貸している側にリスクを持たせる」ということをしない限り、街・家を美しく価値あるものとしようという具体的動きは出ないと思います。担保に価値をもたせれば、地価の変動に関わらず銀行も結局は儲かるという前提をもっと強調していただきたいと感じました。

 ノンリコースローンの話、米国人の人生7.5回の住宅買い替えで4000万円くらい貯蓄が得られて年金代わりになるというお話、こういったことを国民はまず知っておくべきだろうと感じます。マル激バックナンバーを視聴すると、宮台さんはBBCの製作スタッフのエピソードを紹介して、マル激も番組内容のレベルを下げることなく(故意に内容を分かり易くしないという意)ピークを引き上げて裾野を広げて民度の向上に繋がる様にしたいと述べておられます。私個人は”日本においては”、ピークを引き上げると(ハンカチを持ち上げるように)裾野が狭まるのではないかという気がします。(理由はよく分かりません。すみません。)
 少なくとも自身にとって直接痛みとなることに関心を持てないようでは、グローバルなリベラル思想など想像もできない筈で、衣食住のコスト構造の解析から始めなければ、思想もへったくれも無いように思います。この点、私の見当が外れているようでしたら、視聴料はもっと高く設定してピーク視聴者層を狙った番組作りに集中した方がよさそうに感じます。
 
 神保さんが日本の住宅ローンのことを存じていなかったような発言があったのにはちょっと驚きました。現下の日本において住宅ローン問題に精通していない人が日本の社会問題をきちんと解析することなどできないでしょうし、不動産・建設業の仕組みに精通した人を呼んでこなければ「街づくり・家作り文化論」も空虚なものになるように感じられます。

May 6, 2006

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