植草氏がまた逮捕

植草一秀氏が昨夜(13日夜)電車内で女子高校生(17)の尻を触ったとして、警視庁によって都迷惑防止条例違反の疑いで現行犯逮捕されていたことを、今日の報道で知りました。

植草氏の逮捕については、ほんの数週間前にビデオニュースの番組にゲスト出演していただいていますので、ビデオニュースとしても何らかの対応は必要になると考えていますが、例によって事実関係がまだきちんとわからないうちに、世の中は一つの方向に向かって一気に動いてしまっているので、とても対応に苦慮しています。

すでにビデオニュースの方には「責任をとれ」「謝罪しろ」的なお怒りのメールも何通か届いているようです。

まだ事実関係がわからず、報道でも本人が否認しているらしいことなどから、ある決めつけに基づいた軽々な行動は差し控えるべきだとは思いますが、世の中、なかなかそんなものを待ってくれそうもありません。

植草さんの前回の逮捕の時は、本人が「容疑を認めている」と報道されたことが、事件に対する社会の見方を決定づけたという面が多分にあったように思います。しかし、その後氏が全面否認に転じたことはほとんど報じられませんでした。なので、今回ももう少し事実関係がわからないと何とも対応のしようがないのですが、一方で世の中では「植草がまたやった!」的な流れが既にできあがってしまっていて、それに抗うのは至難の業になっているのも事実だと感じています。植草さんは前回も、裁判も始まらないうちに、大学やコメンテーターの仕事を全て解任されたと聞いています。

それにしても、「ほら見ろ。だからああいうやつは出すべきじゃなかったんだ」とか「出したお前にも責任がある」的な批判に対してはどのように対応するのが報道機関としての責任ある姿勢ということになるのでしょうか。内容が内容ですから無視できるものではないことは重々承知していますが、それと同時に、では、「はい、確かに植草さんを番組に出したのは間違っていました。すみませんでした」と、謝ることが正しい対応なのかどうか。

報道機関というのは、ある程度のリスクを背負い込む覚悟は必要なのではないかとも思います。そのようなリスクから逃げていては、報じられる内容が限られてしまったり、報道内容が萎縮しまったりするのではないかと思ったりもします。

しかし、その一方で、報道機関は信用が命です。リスクを背負った結果それが顕在化してしまい、信用を落とすような結果を招いてしまっては、元も子もないようにも思います。

今週の火曜日京都で『OhmyNews』のオ・ヨンホ(呉連鎬)代表 とトークイベントをやってきましたが、呉氏は素人記者(市民記者)が記事を寄稿して成り立っているオーマイニュースを新しいタイプの報道機関と位置づけていました。「プロによらない報道機関」もあることを考えると、報道機関とは何なのかを、あらためて考えさせられました。

いずれにしても、新しいメディア作りに挑んでいる以上、まさにこういうプレッシャーに負けてはいけないんだなとも思いつつ、でもこれは私一人で背負い込むには少々荷が重いリスクだな、とも感じ始めている今日この頃です。

いつもの皆さんのご意見に深く感謝します。

September 14, 2006 | コメント (46) | トラックバック (0)

ビデオジャーナリズムの目次とまえがき

videojournalism.jpgビデオジャーナリズム カメラを持って世界に飛び出そう
著者:神保哲生
明石書店
2400円 (税別)
265ページ
2006年7月発行

目次
はじめに
第1章 目指せVJ(ビデオジャーナリスト)!
第2章 なぜ今ビデオジャーナリズムなのか
第3章 ビデオジャーナリズムとは何か
第4章 ビデオジャーナリズムの理論
第5章 ビデオジャーナリズムの文法(1)・初級
第6章 ビデオジャーナリズムの文法(2)・上級
第7章 ビデオジャーナリズムの制作工程
第8章 カメラの操作と必要な装備
第9章 ビデオジャーナリストの心構え
第10章 インターネット時代のビデオジャーナリズム
あとがき

前書き
はじめに
 一九九四年に私がある思いつきから最初にビデオジャーナリスト活動を始めた頃、自分がビデオジャーナリストであることを名乗ると「ビデオ機器の紹介記事を書く記者ですか」と真顔で聞かれたことがあった。医療ジャーナリストが医療に関する問題を取材するジャーナリスト、スポーツを取材する記者がスポーツジャーナリストだから、ビデオジャーナリストもビデオに関する記事を書くジャーナリストに違いないというわけだ。
 それから一〇年あまりが過ぎ、「ビデオジャーナリスト」も、その呼称だけはずいぶん広く認知されるようになった。少なくとも「ビデオジャーナリスト」を名乗ったときに、ビデオ屋さんの一種と間違えられることはなくなったようだ。

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August 19, 2006 | コメント (2) | トラックバック (2)

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