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果たして小泉純一郎は改革の英雄なのか

 郵政民営化法案の参院採決が今日午後にも行われようとしています。
 否決されれば即解散というのが、ここまでの首相の主張でもあり、またメディアの大方の見方もそうなっているようです。
 否決-解散となれば、自民党は分裂選挙となり、反対票を投じた造反議員は党の公認を得らないため急ごしらえの新党などを作っても、恐らく一部の大物を除き、落選者が続出する。残った小泉党は大勝する可能性が高いが、それでも過半数には届かない可能性が高い。そもそも今から造反議員の選挙区を別の公認候補で埋める時間がない。しかも、都議選から間がないため、選挙準備がまるで整っていない公明党も、かなりの痛手を受けるので、自公合わせても過半数を取れない可能性が高い。(その場合の自公は小泉党の方)
 そうなると自民党は下野するか、もしくは新たな連立を模索するしかない。また、かといって民主党が単独で過半数を取れるとも思えない。小泉党の議員たちはそれなりに善戦する可能性が高いからだ。とはいえ一応選挙に勝利した形になる民主党が、分裂して小泉党との連立話に乗ってくるとは思えない。(もしこれが憲法改正まで視野に入れた連立だとしたら、すごいウルトラCですけど)。
 となると、かなりの可能性で政界は大混乱。新たなガラガラポンが起きる。
 今週の丸激で須田慎一郎と「橋梁談合の深層と郵政国会の接点」を議論したのですが、その議論を通じて見えてきたことは、1)その2つは表裏一体の関係にあること、2)そのターゲットはずばり経世会、もしくは経世会が代表するところの田中角栄型再配分体制そのもの、3)それを壊すことは、小泉純一郎にとっては政策的にも、また過去のルサンチマンを晴らすという目的からも、まさに理に適った行為ということになる、ということでした。

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August 8, 2005 | コメント (32) | トラックバック (21)

米で3頭目のBSEか?委員の先生方には心底同情しますが、しかし・・・

どうも3頭目がでちゃったみたいですね。

現状では陽性の疑いということのようですが、これも2例目と同じく4ヶ月も前の話が今になって出てきているようなので、どっちにしてもあまり信頼性の高い話とは言えなさそうです。

実は昨日(27日)BSE関連の参考人招致があったので衆院農水委員会をのぞいてみたんですが、そこで爆弾発言に遭遇。参考人として呼ばれていたプリオン研究では日本で一、二を争う権威の品川森一動物衛生研究所プリオン病研究センター長が、実は昨年12月に同委員会の寺田雅昭委員長に辞表を提出していたことを突然委員会のやりとりの中で明らかにしてしまったのです。

さらに驚いたことに、その時寺田委員長は、「今あなたに辞めると困るから、この先調査会に出なくてもいいから、籍だけは残しておいて欲しい」と言われたので籍は残してあるが、それ以来委員会には出席していないと、品川さんは証言しています。

http://www.asahi.com/special/bse/TKY200507270344.html

実はプリオン調査会は、同調査会座長代理の金子清俊東京医大教授も5月に「国内対策の見直しを利用された責任を痛感している」と述べ、専門委員を辞任する意向を示しています。

品川さんといい、金子さんといい、食品安全が恐らく上からの(もしくは役所側からの)プレッシャーで、無理矢理黒い物を白と言わされることに対し、科学者としての良心の呵責に耐えかねての行動なのではないかと私は思います。黒を白とまで言わなくても、かなり濃いグレーのものを、白であるかのように言わせられかけている。しかも、アメリカが9月までに牛肉の輸入を再開せよと言ってきているので、それまでにそのような結論を出さなければならない。それが現在食品安全委プリオン専門調査会が置かれている立場なのではないか。少なくともこの問題をずっと取材してきた私の目にはそう映ります。

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July 28, 2005 | コメント (5) | トラックバック (8)

アメリカで2頭目のBSEか

 アメリカで2頭目のBSE感染牛が確認されたようです。
 農務省は予備的な検査で陽性、2回目の検査は陰性だったが、3回目では再び陽性だったとしています。

 これまでも繰り返し指摘してきましたが、アメリカでは2003年12月にカナダから輸入された牛に最初のBSE感染が確認された後も、年間40万頭弱の牛しか検査対象にはなっていません。これはアメリカで毎年出荷される約3500万頭の牛の1%強に過ぎず、残りの99%弱の牛は、月齢を問わずまったくBSE検査は行われていないということです。3500万頭のうち40万頭を見てみたら2頭目のBSE感染牛がいたということは、残る99%の中にはまだまだ潜在的には多数のBSE感染牛が存在する可能性が高いことを意味しています。ちなみに、2003年の12月に最初のBSEが確認されるまでは、年間2万5千頭しか検査されていませんでした。たった1頭とは言え、0.1%以下を対象とする検査で1頭が出たことの重要性は、既に指摘してきた通りです。

 また、アメリカは牛肉の安全性は検査ではなく、SRMの除去が担保するものであると主張していますが、SRMの除去という作業が、丁寧に行うためにはとても手間のかかる作業で、現在のアメリカの大手食肉業者のように、1時間に400頭もの牛を解体・出荷している体制のもとで、SRMが完全に除去されているかどうかについては、多いに疑問が残ることも、これまで繰り返し指摘してきました。

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June 11, 2005 | コメント (0) | トラックバック (4)

もはや美談では済まされない(残念!)、
ウォーターゲート事件『ディープスロート』の正体

 ジャーナリズムが地道な取材で権力者の不正を暴き、ついには最高権力者を辞任に追い込む。調査報道の金字塔として、多くのジャーナリストに少なからず影響を与えたウォーターゲート事件の匿名情報源として事実の究明に決定的に重要な役割を演じたとされる謎の人物『ディープスロート』の正体が、先週明らかになった。
 ここまで日本では元FBI副長官のマーク・フェルト自身が雑誌インタビューで自らがディープスロートであったことを名乗り出たことのみが、ほとんど解説無しで報じられるようだが、実際は後に映画のタイトルともなった「大統領の陰謀」の陰の立て役者が、実は警察の高官だったという事実の持つ意味は重い。

 ウォーターゲート事件が明るみに出る直前の1972年5月、48年間FBI長官の座に君臨し続けたJ・エドガー・フーバーが死亡した。ニクソン大統領は、フーバーの後任にFBIの生え抜きではなく、自らの腹心で司法次官だったパット・グレーを据え、グレーはFBIのフーバー体制の刷新に手をつけ始めたところだった。FBIのナンバー2の座にあったフェルトはフーバーの片腕ともいうべき人物で、実際にフェルトがFBIの違法捜査の陣頭指揮を執っていたとさえ言われている。強権的警察の象徴とも言うべきフーバー体制の実行部隊の親玉がフェルトだった。
 (現にフェルトはカーター政権下で違法捜査で起訴されているが、レーガン政権が誕生してまもなく、レーガンはフェルトに特に理由も明記せずに恩赦を与えている。何だよ、レーガンよ、お前もか。) 

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June 5, 2005 | コメント (2) | トラックバック (9)

JR西をバッシングしても、いいこと何もありませんよ

早くこんなことを書かなければと思いつつ、次々と襲いかかる原稿の締め切りに追われていたところ、我が畏友の下村健一氏が、まさにそのものスバリのコメントを自身のウエッブサイトに載せていました。のろまの私のコメントはさておき、まずは下村氏のコメントをご紹介しておきます。


"怒り"のオーバーラン、していませんか?
下村健一オフィシャルウエッブサイト  2005年5月02日
http://www.ken1.tv/message/message050502.html


 確かにここ数日のメディア報道、とりわけテレビのニュース報道を見ていると、JR西日本が事故原因の究明の妨げとなるような行為を行っていたことと、ボーリング大会だの宴会だのといった、道義的な側面、もしくは心情的にはちょっと無神経過ぎるのではと思わせる行為に対する批判とが、ごちゃまぜになってしまっています。あれでは当のJR西日本の職員たちが、単なるバッシングの標的(というか、感情のはけ口と言うか)にされているとしか感じなくなってしまう危険性が大です。

 あれだけの事故を起こしておきながら、事故に関わる情報を隠蔽したり歪曲したりする行為は無論断罪されなければなりません。しかし、その本質論とはちょっとずれたところで、感情論が先走り始めている感は否めません。記者会見で記者がJRの担当者や役員を叱りつける行為などにも、強い違和感を覚えます。今こそメディアの役割とは何かを、再確認する必要があるでしょう。

 自身のウエッブサイトで下村氏も指摘しているように、感情的なバッシングが行き過ぎると、JR西日本側は何を言ってもどうせ叩かれるだけ、のような被害妄想状態に陥り、それが彼らをより殻に閉じこもらせる結果になりかねません。それは恐らく原因究明の妨げになったり、正しい事実認識を難しくしてしまうでしょう。

 大勢の人が亡くなった悲劇の後だからこそ、今こそメディアは公器としての矜持を、そして受け手側は高いリテラシーをもってメディア報道の内容を見極める必要があるように思います。

May 6, 2005 | コメント (12) | トラックバック (35)

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