茶番劇にもオチはあるものなんですね
Tweet最初から結論は決まっているのに、メディアや世論の風を読みながら、再開のタイミングを図っていましたとはさすがに言えないでしょうし。
しかし、遂にまたやっちゃいましたね。これで牛肉が食えないばかりか、カレールーもラーメンのスープも、全部にアメリカ牛のエキスが入っちゃいますよ。特に骨から煮出しているスープは要注意。骨髄はプリオン(もしくはその近辺にいる狂牛病の病原体)が通りますよ。
何度も指摘してきていることなので、今更言うことは何もありませんが、一つだけ、これが単なる茶番であることだけはまちがいありません。とうの昔に無理な政治決着をした合意事項を、だましだまし実行するための長い長い茶番劇です。
とにかく茶番の終盤はシナリオもかなり劣化していて、牛肉処理施設の査察だなんてことを、真顔でやっているわけですよ。しかし、施設に問題があるわけじゃないでしょうが。前回背骨が混じったのは、施設に問題があったからなんですか。
どんなに立派な施設があっても、そこできちんとSRMが除去されなければ意味がないんです。そして、それがちゃんと行われているかどうかなんて、事前に査察したって何もわかりっこないじゃないですか。本当馬鹿馬鹿しい。
アメリカの国内で流通する牛肉のBSEリスクが日本のそれよりも数倍から数十倍高いことは、食品安全委員会が既に認めているところ。しかし、アメリカは飼料規制も強化しないし、全頭からのSRM除去も拒否。しかも全出荷数の1%強しか検査もしない。
BSE発生で一旦ストップしたアメリカ産牛肉の輸入を再開するためには、アメリカ産牛肉が日本国内で流通する国産牛肉と同等の安全基準をクリアーしている必要がある。しかし、日本がBSE発生後肉骨粉の全面禁止、SRMの完全除去、そして全頭検査へと踏み切ったのに対し、アメリカのそのいずれもやろうとしない。
しかし2年前の10月23日、大統領選挙を目前に控え、しかもケリー候補と接戦が伝えられていたブッシュ大統領を助けるために、小泉内閣は、日米の牛肉の安全基準に厳然たる格差があるまま、輸入再開で合意してしまった。まあ、空手形を切ってしまったということ。
その際の条件が、確かにアメリカ国内の基準は緩いが、日本向けの牛肉はすべて月齢20ヶ月未満で、なおかつ必ずSRMを除去しますから、日本に入ってくるものについては、日本の国内基準に照らし合わしてみても、それほど見劣りすることはありませんよ、という話だった。
しかし、そんな約束は始めからできっこない。アメリカ国内に出荷する牛肉はSRMの除去は30ヶ月以上の牛のみ。だいたい牛は月齢20ヶ月前後で食べてしまうアメリカでは、月齢が30ヶ月を越える牛なんてほとんどいない。お乳が出なくなった高齢の乳牛くらいのもの。だから、もともとアメリカの食肉工場ではほとんどSRMの除去は不要だった。
にもかかわらず、日本向けの出荷分だけ全部SRMを取らなければならなくなる。しかも、SRMを綺麗に除去しようとすると、それが結構面倒な作業とくる。
四六時中監視している人もいない。もともとアメリカ向けはSRMを取らないで出しているのだから、取らないでもそんなに危ないはずはないとアメリカ人は思っているから、そもそもその作業自体がナンセンスに思える。しかも日本向けはピーク時でも全米向け出荷額の5%にも満たない。その5%だけのために、本来不要であるはずの作業を行うためにライン全体のスピードを落とすなんてこと、あり得ると思います?
私がアメリカ人だったら、日本人は何様なんだ。どんな権利があって、こんな馬鹿げたことをわれわれに強いるんだ、と思うに決まってると思うけど。
早い話がこの合意の枠組み自体が最初から無理線なんですよ。無理センの政治決着のコストを、我々消費者に払わせようとしているだけ。
で、最初にその無理センを押しつけられたのが、食品安全委員会だった。黒いものをシロと言わされることに抵抗した山内先生とか品川先生とか金子先生たちの反乱で、委員会審議は大紛糾。でもそれが当たり前ですよ。もともとあり得ないようないい加減な内容の政治決着に、科学者があとからお墨付きを与えることなんて、良心の欠片でもあれば、できっこない。
で、2年たって、またアメリカで選挙の季節がめぐってきちゃった。今度は中間選挙だけど、イラク泥沼化でブッシュさんの共和党は苦戦中。ここで議会の過半数を失うようなことがあれば、ブッシュ政権の残る2年間は完全なレイムダック化。つまり死に体で、何もできなくなる。
George 「そうならないためにもジュンイチロウ、なんとか早くビーフをよろしく。」
Junichiro 「OK。だけど今度は背骨が丸々残っているような露骨なのはやめてね。よろしく。」
George 「OK。一応そんなヘマはやらない35の工場だけに絞ったから、多分大丈夫。背骨が丸々入るようなことはないようにするけど、SRMがちょっとばかし残っていてもわからないからいいよね。」
Junichiro 「アイ・ラブ・ギュードン」
George 「今度クロフォードの牧場でステーキおごるよ。テキサスは狂牛病の牛が出てるけど大丈夫。狂牛病は潜伏期間が長いから、多分それまでにはぼくも君も狂牛病の牛食ったことなんて忘れてるって。」
Junichiro 「ラブ・ミー・テンダー」(もちろんスペルはRub me tender)
やれやれ。
July 28, 2006
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ココログ「Zatudan Nikki 」です。 主にバナー普及が目的です。
August 3, 2006
コメント
実際に現地の牛肉加工工場を視察してきた「すき家」の社長が、会見で、「背骨をぶった切る時に、危険部位である髄液が飛び散っていた」という理由を述べた上で、安全性が保障できない、という話をしていましたね。
ただ、残念ながら私が見たニュースでは、それが例の35工場の一つかどうかまではわかりませんでした。
それにしても、他の牛丼チェーンのように黙って狂牛丼を出していれば一儲けできたでしょうに、よほど腹に据えかねたのでしょうか。
July 28, 2006
もう散々ここでレポートされてきた問題なので語る気力もなくなりそうですが、でもやはりこの問題で結局一番大きいのは牛肉を食べるか否かの選択を消費者が出来ないということでしょう。様々なところで使われている牛骨ダシやレストランのメニューなどをすべてチェックすることは不可能なので、輸入再開するということは事実上、全ての人がアメリカ産牛肉を食べさせられる、ということです。
僕はまだ若いのでプリオンを摂取したら生存中に発症する可能性があるわけで、本当に怖いです。
July 29, 2006
>Junichiro 「ラブ・ミー・テンダー」(もちろんスペルはRub me tender)
実際のところ、返答は、「ベリー・グッド」だったようですヨ(ーー;
「牛肉、首相も「グッド」 大統領は輸入再開を感謝 」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060630-00000017-kyodo-int
スペルはたぶん、"belly good" じゃないすか(ーー;
トホホな首相に、トホホな報道(ーー;
July 29, 2006
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