米で3頭目のBSEか

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 アメリカ農務省が11日、米国内でBSE感染が疑われる牛が見つかったと発表した。簡易検査で陽性反応が出たため、確認再検査中とのことで、1週間以内に結論が出る。

 繰り返し指摘してきたことだが、アメリカでは出荷される牛の約1%強に対してしかBSE検査を行っていない。(検査した牛が1年で1年半で約60万頭。1年間の出荷量がだいたい3500万頭。)その検査も歩行困難な牛などのハイリスク・グループを全て対象としているとしているが、実際は抜き打ち検査ではなく、畜産業者の自主申告に基づく。万が一BSE発見となれば、その牧場の出荷する牛が全て売れなくなる可能性もあるため、畜産業者があえて神経症状のある牛を検査に差し出さない可能性は排除できない。いや、差し出さないと考える方が自然ではないか。現在のルールでは、神経症状の見られる牛がそのまま死んでしまえば、検査はしないで済むのだ。

 つまり、アメリカのBSE検査は丸であてにならないと考えるべきで、そのため実際にはかなりの数のBSE感染牛が存在していても、単にそれが顕在化していない可能性が排除できないということだ。その理由の一つとして、アメリカではまだ飼料規制が不十分で、反芻動物の肉骨粉を反芻動物にあげることは法律で禁止されているが、反芻動物の肉骨粉を豚や鶏の飼料とすることは法的に何ら問題はない。

 イギリスや日本の例を見るまでもなく、肉骨粉は全面禁止にならない限り、意図的か否かはともかくとして、反芻動物への交差汚染の可能性が排除できない。流通する限りは、使われる可能性もあるし、飼料工場や牧場段階での交差汚染の可能性もある。アメリカでは、牛の肉骨粉を食べた鶏の糞や羽根を牛の飼料に混ぜることが認められているのだ。

 アメリカの肉骨粉にはSRMも全て入っていることも、認識する必要がある。だからアメリカの肉骨粉は要注意なのだ。アメリカでは月齢30ヶ月以上の牛からしかSRMは除去していないが、除去したSRMも肉骨粉にするためにレンダリングに回される。もちろん牛→牛は法律で禁止されているのだから、プリオンに汚染されたSRMが肉骨粉に含まれていたとしても何ら問題はないことになる。ただしこれは、交差汚染が絶対に起きないことが前提となることは言うまでもない。

 飼料規制に重大な抜け穴(これは一旦農務省が肉骨粉を全面禁止しようとしていながら、業界団体からの圧力で撤回し、目下パブリックコメントに回されているという背景もある)があり、SRMの除去も事実上ほとんどやっていないに等しい。にもかかわらずBSE検査は1%強のみで、しかも恣意的なため、実際のBSEの感染状況が必ずしも把握できていない可能性が高い。

 これがアメリカのBSE対策の目下の現状だ。

March 13, 2006



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March 16, 2006


世界のBSE,vCJD対策の方向を決めるOIEの問題点 公衆衛生・院内感染の学者不在 from BSE&食と感染症 つぶやきブログ
■世界のBSE,vCJD対策を決めるOIEの問題点・・・公衆衛生・院内感染対策の学者の不在 前書きの乱文 一部の、不勉強なリスク論学者が、 もはや世界レベル...

March 19, 2006

コメント

投稿者 沈思黙考 

 問題を拡散するつもりはないですが、食の安全という共通点で
安部司著『食品の裏側』 は読んでみる価値があると思います。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492222669/qid=1142229366/sr=8-1/ref=sr_8_xs_ap_i1_xgl/503-6825954-1939956
http://straydog.way-nifty.com/yamaokashunsuke/2006/03/post.html
繊維飲料として持てはやされていたファイブミニ(大塚製薬)のオレンジ色が、サボテンの寄生虫をすり潰したものだったとはビックリでした。健康を意識して飲んだつもりが寄生虫を食べていたとは・・・
およそ20種ほどの添加物をひとまとめにしてしまう「一括表示」、ミートボール(牛肉の骨から削り取った端肉のフランケンフード)のおどろおどろしさ、コーヒーフレッシュの種明かし、パックサラダの鮮度の秘密、加工食品の調味料の正体・・・気が滅入ってきます。
 私の子供は、軽度とはいえ、アトピー性皮膚炎を患っております。アスベストと肺気腫のような因果関係を食品添加物とアトピー性皮膚炎に求めてしまうのは、添加物の洗礼を受けた世代(例えば、私)の子供に、アトピー性皮膚炎が集中していると思われるからです。後発医薬品(ジェネリック)のおかげで安く済ませておりますが、対症療法の感は否めません。
http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/03/tp0305-2/
 一方で、一定の品質を簡単に実現できる食品添加物なくして、安く手軽な食生活を送れないのも事実です。宮台先生のいう長期的利益(手間をとることで得る健康)と短期的利益(添加物をとることで得る利便性)のバッティングです。
「手間をとるか、添加物をとるか-それを心に留めておいてほしいのです」 願わくは、安部司氏の言葉のように自律的選択でありたいものです。

March 13, 2006

投稿者 vox_populi 

 丸激トーク・オン・ディマンド「第259回 [2006年3月17日] もう牛肉を食べても本当に大丈夫なのか」の感想をここで書きますが、神保氏が病原体のことを言うのに「プリオン」という言葉を繰り返していたのに対して、福岡氏が一貫して「病原体」という言葉を使っていたのに気がつきました。一応、少なくとも今回の番組では、ゲストの話に合わせておいた方が良かったのではないでしょうか。嫌味に聞こえるかもしれませんが、一言書いておきます。


 ともあれ、結論は「牛肉はなるべく食べないこと」になるのかなという気もしますが、今回の番組も大変参考になりました。引き続き、アクチュアルな話題を取り上げていかれるよう希望してやみません。

March 19, 2006

投稿者 椋代能行 

米国から中国への肉骨粉の輸出が次の大変な問題となりそうな気配ですね。質の低いものを第三国に輸出している可能性も高い。農村と都市部の異常な所得格差とそれが齎す中国国内の諸問題を、自国の食料自給率とも絡めて見直すときは、今しかないと思います。

米国はSloan'sのような廉価スーパーでの粗悪な食品と、極めて質の高い有機農畜産物を主に扱う Food EmporiumやBreads and Circus といった安全性志向の同系列高級チェーンとの完全な二極化に振れているようです。米国に足を踏み入れる機会があれば、大都市なら後者はすぐに見つかりますから、卒業旅行などでこれから足を踏み入れる方は、是非ご覧になってください。Star(前者)とBreads and Circusが近場にあるボストン都心などとても分かりやすいです(消費税の勉強にもなります)。
欧州では、一般のスーパーは一時期日本より質が酷かったので、今後再度問題が顕在化する懼れは残っていると思います。有機農産物は、今ではすこし変わってきているのかもしれませんが、あちらでは定期的な朝市が主体なんですね。

ところで、お話のなかでも出てくる日本の消費者団体の水準は総じてあまり高いとは言えません。生後一週間程度で仕入れるホルスタインのオスに関して、代用乳はネックなのです。理想(表書き)と現実の乖離というのは、ここにもあります。きれいごとを並べなければ、不安に駆られて、無理解な消費者が不買に走るのだから、これは残念ながら当然のなりゆきです。といって、大手が宣伝文句通りでないということくらいは心しておいてよいはずです。
私は、このあたりの真のトレーサビリティの土壌育成が急務だと思ってきましたが、実情はなかなかです。真に自己選択できる情報取捨選択能力を個々人が確立しないと成り立たないわけですから。

お話の中で、米国だったと思いますが、抗生物質投与しない肥育を実践している畜産農家のくだりがでてきましたが、ああいうのは、仮にあったとしても、日本では小規模の個人でしか無理だと思います。餌に関しても、完全自家配合できるほど大規模な畜産家というのは現実的ではないように思います。とすれば、業者が不正を働けばその影響をもろに被ってしまう訳です。こうした実情も、肉食と牛乳という二重収奪の食生活を再帰的に選択していくことから始めなければ不測の事態に巻き込まれれば、そこで途絶えてしまいます。

裏事情をそれなりに知っておりますが、私自身は、といって、急に肉食を止めはしないと思います。けれど、同時に「安全な肉」を国内で食べられると思うほど気楽にもなれませんね。


なお、

パスツール研究所元所長のマクシム・シュワルツが著した『なぜ牛は狂ったのか』(原題:Comment les Vaches sont Devenues Folles, Editions Odile Jacob, 2001)紀伊国屋書店 \2,000 

が大変に参考になります。訳は、プリオン専門調査会専門委員のひとり山内一也氏で、この人は、後書きの解説が示しているように、プリオン説にかなり偏って立っていますが、それでも訳語は丁寧に使い分けています。今回の話と関連する部分を幾つかあとで抜いておきます。


著述自体はクールー、スクレイピーから著作時点までの症例、研究の歴史変遷が詳細に書かれています。病原体を“敵"として、プリオン説に対しても一定の距離を置いています。

pp.238
「プリオン説には、ごらんのように答えの出ていない問題がまだたくさんある。しかし大筋においては正しいと考えられるので、今日では大多数の専門家がこの説をみとめている。こうなると追跡は終わった、“敵"の正体は暴かれたといいたくなる。しかしこれで“敵"は打ち負かされたことになるのだろうか?」
pp.238
「しかし今のところは残念ながらだれも、試験管の中で感染性のプリオンが現れたということを証明できていない。」

pp.280
プリオン説の基礎ともいえる、異常プリオンタンパク質が感染性を担っている点については、それを支持する状況証拠が多数集まっているが、直接、異常プリオンタンパク質について感染性を証明する実験は技術的な問題があるために、いまだに成功していない。


肉骨粉についての記述:pp.198-203
牛の餌に肉骨粉を混ぜることは昔からおこなわれており、牛の餌への混ぜ入れ使用は、1893年に出版された家畜の餌をテーマにした本に、既に記載されている。肉骨粉の使用量は1960年代から大幅に増加した。

pp.202-pp.203ワイルスミスの研究 肉骨粉の製造方法の変遷について
1971年 百度以上の蒸気に晒すことの停止
1981-1982年 脂肪分分離の為の有機溶剤の使用を止めたこと

「報告書には、考えられるおもな理由としてつぎの二つがあげられていた(これらは両立しうる)。ひとつは、イギリスで羊の数が1980年以来急増し、それにともなって当然スクレイピーの発生も増加したために、病気の羊に由来する肉や骨の屑が多くなり、粉末の加工原料に含まれる病原体の量が増えたからというもの。もうひとつは、比較的最近になって肉骨粉の加工法が変わり、スクレイピーの病原体を破壊していた昔の工程が廃止されたからというものである。」


ベビーフードの問題:pp.221
vCJD罹患者の年齢層の若さ。15から45歳まで。2/3が35歳未満。乳児用の加工食品ベビーフードのなかには牛の脳からとった原料が使われていたものもあったといわれており、これも一因ではないかと考えられている。

March 19, 2006

投稿者 椋代能行 http://www17.plala.or.jp/court2006/disclaimer.html#google

少々舌足らずなところがございましたので補足しておきます。

現況、硬派の消費者団体の提供する畜産物ですら「安全な肉」とまではいえないところが残りますが、確率としてはきわめて高い安全性を保つ範疇に入っている肉であり牛乳だろうと受け留めています。
(ただ、米国でのBreads and Circus店舗で、その場で切り分けられる子牛肉やnon-homogenezedの高級ヨーグルトは、この水準をおそらく超えているのではないかという感触を持っていますが、神保さん、実態は如何でしょう。私はちょうど十年前にこの辺りを実地調査しようとしたのですが、営業視察と勘違いされて、断られてしまいました。)

今回の福岡伸一氏の解説は、そうした根源的な問いにも結び付く大変濃いものだったと思います。

肉食の問題は、投与されたり食物連鎖で回りまわった有害物質が脂肪分に蓄積されていることにもあり、私の知っている畜産家は、(ダイエットのためなんかじゃなくて)脂身の部分は必ず切り落として料理していました。現場に近い人の智慧だと思います。

March 20, 2006

投稿者 椋代能行 

二つ前の投稿の中で、抗生物質に触れたくだりがありましたが、誤解を与え兼ねないので訂正させてください。

完全に使用されずに屠殺される健康な個体は幾つもおりましょうが、ひ弱な子牛のうちに死に絶やさないためには、一般には抗生物質は、絶対使用量、つまり使用頻度の問いというのが現実ではないかという見解です。

ですが、我々自身、大抵は、抗生物質を年に一度は服用するわけです。とすれば、ワクチンの使用頻度を開示しつつ、寧ろ、ワクチンの製法と原材料に目を向ける方向づけがより賢策かもしれません。

単純に商品に潔癖さを求め、またそれが簡単に手に入るよう消費者に印象付ける自らの弁舌が、殆どの有名消費者団体で、活動の呪縛になっていると思います。これは、あまり理解されないんですが、彼らが事の深刻さに気付いていなくとも、早晩そうなってしまう。差別化に失敗してからでは遅いんですね。

March 20, 2006

投稿者 椋代能行 

同系列なのはFood Empoliumではなく、Whole Foods MarketとBread and Circusの誤りでした。

http://www.wholefoodsmarket.com/

March 22, 2006

投稿者 椋代能行 

プリオン調査会が妙な具合になってきていますね。ますます直感に耳を澄まさないといけなくなりそうです。


[読売新聞]
「プリオン調、委員の半数が辞任「牛肉輸入再開に責任」
米国産牛肉の輸入再開条件などを審議してきた内閣府食品安全委員会のプリオン専門調査会の専門委員12人中、半数にあたる6人が3月末で辞任していたことがわかった。


元ネタはこちら (別紙にご注目ください)
http://www.fsc.go.jp/iinkai/iinkai_kaisen_180403.html

『なぜ牛は狂ったのか』を訳された山内一也東京大学名誉教授も辞任なさったそうです。


[毎日新聞]
--引用-------------------------------------
 BSE(牛海綿状脳症)問題や米国産牛肉の安全性などを議論してきた、政府の食品安全委員会のプリオン専門調査会(吉川泰弘座長)のメンバーのうち、半数の6人が3月31日付で辞任したことが4日までに明らかになった。6人とも、安全性について慎重な意見を述べてきた委員で、調査会のあり方に疑問をもった委員もいる。今後の審議に影響する可能性もある。
 辞任したのは、副座長だった金子清俊・東京医大教授や、品川森一・前動物衛生研究所プリオン病研究センター長、山内一也・東大名誉教授ら6人。昨年の調査会の報告書が米国・カナダ産牛肉について「(国産牛肉との)科学的同等性を評価するのは困難」と結論づけたのは、主にこの人たちの意見が反映された結果だった。
 金子教授は「米国産牛肉問題の検討は、国内のBSE問題と違い、(脳などの)特定危険部位を完全に取り除けばどうか、などの仮定に基づく議論になったが、それまで国民に、こうした手法で議論するとの説明はしてこなかった。結果として(説明と審議方法が)食い違ってしまい申し訳ない」などと説明する。
 委員会事務局は、各委員には再任を打診したとしているが、同じく辞任した甲斐知恵子・東大医科学研究所教授は「正式に再任依頼の連絡はなかった」としたうえで「慎重論を言う人がすべていなくなって残念」と話す。
--引用ここまで-------------------------------

April 4, 2006

投稿者 椋代能行 

こういうところからも世の趨勢というのは探れるようですね。

地球街角アングルの後番組
http://www.nhk.or.jp/angle/index.html

語学の編成(テレビのロシア語は前後期共に昨年度の再放送らしいです。ラジオ中国語はとりあえずビジネスの「要請」から再放送が増えている。)
http://www.nhk.or.jp/gogaku/

April 5, 2006

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